同人誌執筆の手引

かつてKBM向けに書いたもの。お蔵入り。


  • このページは、[Kosen Book Market https://kosenbookmarket.connpass.com/event/152500/]に出展を考えている執筆者・サークル向けの簡素な執筆ガイドです。
  • Kosen Book Marketは一度も技術系同人誌を書いたことがない人を歓迎しています(もちろん、書いたことがある人も歓迎です)。
  • もちろんクオリティが高いに越したことはないですが、ここでは初めて同人誌を出す人をターゲットにして、 [[ とりあえず ]] 出してみてもらうことを目標に据えます。
    • 一度同人誌を書いたり技術書典等に出したりしたことがある人は、Kosen Book Marketを練習の場と捉えて、新しい執筆環境やスタイルを試してみるのも手です。
  • 注意:ここに書かれているのはあくまで数多のうちの一つの方法であり、一冊目を書くためのガイドです。もっと個性的で、キレイな本が作れる方法があるかもしれません。でも、レイアウトや表紙、執筆環境にこだわる楽しみは、あなたの2冊目に託しても遅くありません。

テーマを考える

まずは、何を書きたいか考えてみましょう。これが本のテーマになります。

普段使っているモノ・プログラミング言語・ツール
最近気になっていること、気になって調べたこと
最近買った変なモノ
去年成し遂げたこと
作ったもの
部活・学校の取り組み

何が必要?

では、技術系同人誌を書いて買ってもらうまでに、必要な作業は何でしょうか?

  • 紙面を作るまでに…
    • テーマを詳細な文章に落とし込んだ本文、まえがき、あとがきを書く
    • 目次、著者紹介、表紙を書く(描いてもらう)
  • 奥付を書く
    • 裏表紙にある「第一版 2019年XX月YY日 〇〇出版 発行人 XX」みたいなアレです。
    • レイアウトを考える
  • 印刷するまでに…
    • 印刷所を選ぶ
    • 原稿を送信して、修正する
  • 当日の会場、テーブルの上には…
    • 「みほん」のシール、ブックカバーを用意する
    • お釣りの小銭は?
    • 多様な支払い手段がほしい、キャッシュレスだしね
    • ポスター、POP、ブックスタンドも…

いろいろありますね。今回は初めてなので、ちょっと削って、こんな構成で。

  • 紙面を見てみると…
    • 本文
    • まえがき、あとがき → 書けたら書きましょう。「読んでくれてありがとう」でも十分です。
    • 著者紹介→Twitterアカウント書いとけばOK!
    • 表紙 → タイトルに自分の名前をつけたらできあがり!
    • 奥付 → 印刷所の指示を守ればすぐに書けます。
    • 目次・レイアウト → ソフトウェアにやらせましょう。
  • 印刷するまでに…
    • 印刷所選び → 便利なサイトを使おう
    • 原稿の送信・修正 → 頑張りましょう
  • 当日の会場、テーブルの上には…
    • 本だけあればOK!
    • 小銭は普段の買い物で出る分を保管しておいて、それをそのまま持っていきましょう。

スケジュール感

「何を書くか」が決まったら、「いつまでに書くのか」を決めましょう。ここでは(というか、大抵そうなのですが)PDF等のデジタルデータを印刷所に送信(入稿)して刷ってもらいます。

  • 編集に7日、入稿してから、印刷に7日・配送に3日かかる、としましょう。Kosen Book Market当日(3/29)から逆算すると、「3/12までに文章を書き上げ、3/19までに入稿」できれば間に合います。
    • 下の「印刷所選び」でも述べるように、印刷に7日割り当てておくと、お得に印刷できます。
  • 「編集に7日もかかるの?」
    • 先述した通りレイアウトはほとんどソフトウェアに任せられますが、「印刷用の設定」とかそういうところでつまづいて、案外時間を取られるのです…

いざ執筆

  • 組版ソフトを導入して、最低限の記法(見出し、リスト、章の分け方、図の入れ方ぐらい)を把握したら、早速書き始めましょう。
  • 目次の自動生成などに使用するソフトウェア(組版ソフト)について、技術系同人誌で一番人気なのは「Re:VIEW」です。
  • 検索すれば山のように解説サイトが出てきます。とりあえず最初は[https://github.com/kmuto/review/blob/master/doc/quickstart.ja.md 公式のクイックスタートガイド]から始めましょう。
    • それか、テキストファイルやWordに殴り書きして、あとから整えても大丈夫です。
  • 以下に、執筆中によくぶち当たるハードルを紹介します。
    • 「[* 太字]がいいかな?[/ 斜体]がいいかな?」
      • 後で考えましょう。
      • 実は、その装飾は必要ないかもしれません。迷ったら外しておきましょう。
    • 「こんな文章で面白いかな?」
      • 書いているのはベストセラー小説でもなく、Twitterではてな匿名ダイアリーのエントリでもありませんよね。読者を感動させる必要はありませんし、そうだとしても、読者が抱く感動は文章よりも、その中身=技術に対するものではないでしょうか。
      • それに、他の誰かが書いた文章を読み、考えを知ること自体が、わりと面白いことだったりします。その面白さは書いた本人にはわかりませんが、どうしてそのテーマにしたのか、その技術のどこが好きなのか、存分に語ってみましょう。
    • 「いや、上手い文章以前に、そもそも伝わってるかな?日本語通じてるかな?」
      • たいていの場合は大丈夫です。
      • どうしても不安なら、友達に読んでもらうか、運営([https://twitter.com/KosenBookMarket @KosenBookMarket])にRe:VIEWの原稿を送りつけましょう。

印刷所選び

  • 執筆が終わったら、原稿をPDFなどで書き出してページ数を見てみましょう。そのページ数に4を足した数字が印刷時のページ数になります。
    • 本文以外にも、オモテ表紙の表・裏、ウラ表紙の表・裏で4ページが加算されます。
  • [pixivFACTORY https://factory.pixiv.net/books]を使えば、一ヶ月先までの希望発送日について、価格を比較検討できます。
  • 「24ページ、B5、本文モノクロの本を50部印刷」で検索すると、以下のようになります。 一番安いと入稿(原稿の締め切り)から発送まで1週間弱で、一冊あたり216円ですね。 [https://gyazo.com/49fbae872254e2ce8cbc0eeb31294aff] 対して、締め切りが一番遅い印刷所(プラン)を見てみます。
  • 「2日前の午前9時まで」のプランだと、単価は2倍弱に跳ね上がります(上から2番目のプラン)。
    • 一番上のプランには、「Offset(オフセット印刷)」とあるのに対し、他は「On Demand(オンデマンド印刷)」です。技術系同人誌であればオンデマンド印刷で問題ありません。
  • [https://gyazo.com/869735092c68ec875709c2a23edf67a3]
  • 基本は条件に合った範囲で最安のプランでOKです。
  • 印刷所を選んだら、印刷所自身のサイトからも注意事項を確認しておきましょう。

入稿

  • pixivFACTORYを利用する場合について説明します。
  • 検索画面の「詳細を見る」→「カートに入れる」で印刷プランを選択できます。支払いを済ませてからデータをアップロードします。
  • https://factory.pixiv.net/books/tutorials/manuscript にpixivFACTORYが提供する詳細な入稿のガイドがあります。
    • 主に漫画を対象に書かれていて、技術書には関係ない点もあるのでそこは飛ばしてOKです。
  • 配送先は自宅・寮、もしくは会場「…」に設定しましょう。
  • ガイドにしたがってきちんと入稿したつもりでも、やはりWebと印刷では勝手が違うので電話で確認されることがしばしばあります。つながらないと印刷・発送が遅れるので、印刷所に伝える連絡先には実在する電話番号を入れておきましょう。
  • (非日本語版でpixivFACTORYを利用している場合は、設定から日本語版に変えておきましょう…システムの多言語化がうまくできていないのか、英語版を利用している筆者は入稿に失敗したことがあります)

当日まで

  • 頒布価格だけ、計算しておきましょう。「何冊売れたら黒字」(損益分岐点)というのがわかっていると売るモチベーションも上がります。Twitterでも是非宣伝してください。
  • ここまでできればあとは当日参加するのみです。

大体の執筆の流れはつかんでいただけたでしょうか。あなたの本を楽しみにしています。 疑問点等あれば [https://twitter.com/KosenBookMarket @KosenBookMarket] にお願いします。

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